寒い冬に美味しいモノと言えば「牡蠣」が挙げられることだろう。冬と言わず、一年中
牡蠣好きの我がダンナと牡蠣の話で盛り上がった。フランスでは牡蠣を剥く職人がいて、
「エカイエ」というが、ブラッスリーなどの店頭で山と積まれた牡蠣を始め貝類の殻を鮮
やかな手付きでスイスイと開けてゆく。牡蠣剥きコンクールも開かれる。テレビでその様子
を見ると、制限時間内にいかに数多く開けることが出来るかの戦いであるが、剥いた
牡蠣に殻のクズが入っていたりすると減点されるし、牡蠣を並べるディスプレイも得点に
なるようである。ここ北海道は厚岸、佐呂間を始めあちこちに牡蠣の産地があり、多くの
飲食店で美味しい牡蠣を頂くことができる。そこで、札幌でも「エカイエ・コンクール」が
あったら面白いだろうな、という話になった。居酒屋や郷土料理店など和食の店や、
フレンチ・イタリアンなどの洋食店でも生牡蠣や焼き牡蠣、その他色々な料理に牡蠣
は多く用いられている。お店の料理人さんは、毎日たくさんの牡蠣を剥いているはずだ。
牡蠣剥きに自信のある向きは多数いらっしゃることであろう。そんなコンクールを例えば
「札幌雪まつり」でのイベントして催したらどうであろうか。コンクール自体も面白そうだし、
選手が剥いた牡蠣は焼き牡蠣にして、見物客に振舞ったら全国いや世界中からおみ
えの観光客も大喜びとなるだろう。優良な牡蠣の産地としての北海道もアピールできる
というものだ。などと、愉快に話していたのだが、ふと我がダンナに聞いてみた。
「もしも、本当にコンクールがあったらアンタ出場するつもり?」
「おう、出てみたいな」
「へえー、自信あるんだ?」
「あるな!」と、断言するダンナだ(笑)。仕事の手早さには常々自信があるダンナである。
そんな話をしていたら、無性に牡蠣が食べたくなった我々であった。そこで、電車通りに
面するビルにある牡蠣料理専門店にある日、出向くこととなった。メニューを開くと壮観な
程に牡蠣料理のオンパレードだ。まず生牡蠣を食す。やや小ぶりな殻にいっぱいのミルク
色でつやつや、ふっくらとした身が大変美味しそうである。中でも一番ミルキーで太った牡
蠣は早速ワタシが頂いた。キュッとレモンを絞って、口に持って行きつるりと喉に流し込み、
殻に残った汁も啜って、おおっ、これは旨い!クリーミイな海の恵みだ。他に焼き牡蠣、
牡蠣フライ(これも至極旨い)などなど色々頂いて、最後に牡蠣雑炊とこれも評判の蕎麦
で〆た。
カウンターで頂いていたのだが、内側では若い職人さんが、せっせと牡蠣を剥いている。これ
だけ多数の牡蠣料理がある上に、お客様もひっきりなしに入ってくる繁盛店だ。いったい一
日にどれだけの数の牡蠣を剥くことであろうか。すると、ダンナがつぶやいた。「やっぱり、専門
店のやつには、敵わないかもな・・・」日頃の自信はどこへ行ったのだ(笑)。「オレを誰だと
思っている!オレ様はカザマだー」が身上のはずではなかったか(^_^;。我がダンナも体力は
落ちる、気力が続かない、など老いの兆候を少しずつ感じてくるのはやむを得ないお年頃
ではある。特に今年の寒波はさすがに堪えたとみえて、人生で初めて「ももひき」を穿いた
ダンナである。「オレもついに「ももひき」のお世話になるか・・・」と自嘲気味につぶやきながら
着替えている「ももひき」姿はやはり大変爺むさいものであった(笑)。が、老後の楽しい「南
の島」暮らしのためにここはもう一踏ん張り、老体に鞭打って気合を入れて欲しいものである。