韓流レストランの一夜
韓国ドラマの「チャングムの誓い」にはまって以来、韓国料理を食べたくてたまらなくなった。
ダンナも同様のようで、ある日街中にある韓国料理レストランの夕食を提案すると、気持ち
よく賛同を得て、予約の電話をして出掛けたのであった。
韓国料理については、あまり詳しくなく、たくさんあるメニューを見ても分からない料理もある。
サービスのキレイで感じよい女性の方にお尋ねすると、「わたし韓国(人)だから、何でも聞
いてね」とにっこり。
とりあえず「チヂミ」だ。「キムチ餃子」も美味しそう。ホルモンとカルビも頼んで、後はお粥と
冷麺だろうか。初めてだし、こんな所か。好きな「カクテキ」から始まり、辛味とともにまったり
濃い酸味と旨みがあり、美味しいもの。料理にも期待が高まる。プレーンな「チヂミ」はニラ入
りのシンプルなものだが、もちもちしていて粉モノ好きのワタシは満足だ。「キムチ餃子」も同
様に皮はもちもち、具のキムチも旨くまた香ばしく焼けている。「ホルモン」と「カルビ」も平ら
げた後、「野菜粥」を待つ。サービスの女性がやって来て、「お粥は30分くらい時間がかかる
が、いいですか」と問われた。お粥だから、ちゃんと作ってくれるなら時間がかかるものだろう
と快く了解した。隣のテーブルの方もお店特製のジュースを頼んだ所、時間が掛かります、と
言われている。お店はほぼ満席になった。反対隣の予約の男性客3名も到着し、マッコリを
ボトルで注文して、豪快に飲み始めている。お粥はなかなかやって来ないが、忙しそうだし、
まだ8時で閉店時間には早いと思うが、お店のドアに掛けられた札も「閉店」にひっくり返され
た。そんな中でビールをちびちび飲みながら、じっと待つ我々(^_^;
待った甲斐のある、大変美味しい「野菜粥」だったし、それからさらに7、8分掛かりますと言
われて食べた「水冷麺」の旨いこと!しっかりした濃い目の味付けで、後を引くというかぜひ
また来て食べたいと思うものだった。冷麺に満足した所で、我々は席を立ち、お会計をお願
いしたところ、厨房から店主の男性が出てきて「今日は大変お待たせしてすみません。実は
厨房の者が二人も倒れて、私はしばらく振りに厨房に入ったもので・・・」とおっしゃり、お詫び
にと「韓国のり」をお土産に下さったのである。初めて伺ったお店で、時間が掛かるといっても
こういうものかと思っていた我々は、びっくりしつつも嬉しくのりを頂いたのである。
と、その時。「閉店」の札をものともせず、数人の新たなお客がやって来た。予約は無いようだ。
「マスター、どうも!!」と、常連らしい男性が片手を挙げてにこやかに挨拶する。店主の顔は
驚愕にゆがんだ。ワタシは両者の顔を見比べつつ、この修羅場にどう対応するのだろうかと、
店主に同情の念を禁じえなかった(^_^; だが、店主は2秒半で立ち直り、笑顔になって挨拶を
返した。そこで、我々は店を後にしたので、その後お客が席を用意して貰えたのかどうかは
分からなかったが、とっさに笑顔を作る店主に心から尊敬申し上げたのである。