気が散るワタシ



さて、ある日私は東京にいた。所用を済ませ夕方のひととき、フライトまでの
時間潰しにとあるカフェへと向かった。ちょっと有名なフランス料理のシェフが
出した一番新しいお店である。今回は東京のお店なので、ヒントを甘くしまし
ょうかね、北海道は増毛出身でいらっしゃる、よくテレビ番組にもなる、世界
の○○○とカナなら3文字の名字である、おヒゲもいかにもな料理人でいら
っしゃる。そして、店名はその名字のついた、○○○’ズ・カフェ・丸の内、で
ある。

さてさて、そこは地下はフレンチ1階がカフェとなっており、フレンチに入りた
いのはヤマヤマだが、1人だし、あまり時間も無いので、カフェで我慢。食事
時にはまだ早い中途半端な時間でお客はあまり多くはなく、何かのんびりと
した雰囲気が漂うモダンなインテリアの店内である。中央にはショーケース
が配されパン・ケーキ・お総菜などテイクアウトの品が並び、窓際、壁際にそ
うようにテーブルが置かれ、ワインセラーの前に私は席をとった。

こちらでは、お料理はイタリアンであり、アンティパスト¥2000を頼むとワゴン
で数種類の料理が運ばれて来て、好きなだけ取り分けてもらえ、ちょっと楽し
い。ワインを飲みつつそれらをつまみながら、店内を観察する私である。で、こ
の「観察」なんだが、これは生来の性格なのか職業病なのか知らないが、どこ
にいても私はジロジロとあたりを見回すのがクセのようだ。特に気に入ったモノ
はじっくりと見つめるクセがある。若い頃は好きな男をジイッと見つめている自
分に気づいて慌てたコトが何度もあるが・・この手で落とせたコトも何度か、
おっと余談だ。まず、気になったのは斜め前方若い女性2人連れ、手前のお姉
さん膝の上にご自分のエルメス風柄のハンカチを広げていた。この店の紙製
とはいえ、そなえられたナプキンは淋しそうにテーブルの端にいる。う〜ん、何故
使わないの?ナプキン。気づかなかっただけ?ハンカチ広げるほうがお上品な
感じする? ダークスーツのおっさん3人連れだ、何食べるんだろ? なんだコー
ヒーだけか。あれ。隣のカップル散々食べてあとパスタ少しなのに今頃ワイン頼
んでる。もっと早く飲めよ。ああ、おの2人連れ、あんな小さなテーブルに案内さ
れて申し訳ない、私1人なのに3人用のこんな広い所すわっちゃって。

こんな風に気を散らせながら食事をしている落ち着きの無いワタシである。



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