忘れ物紀行
今年の夏休みは心ゆくまで「食い倒れ」てやろうと「大阪」に出掛けてきたのであったが
阪神優勝の翌日という燃え上がる大阪人にあてられたか、思ったほど食べられなかった
という不満を残し、この雪辱を果たすべくいつか再訪することを誓いつつ伊丹空港へ向かう
最終日。若かりし頃1年ばかり大阪で暮らしたことのある我がダンナは最後に思い出の
中華チェーンの店で餃子を食べたいというので、梅田駅近くにその一つを見つけて昼ご飯
代わりに頂いていく事にした。しかし、まだ開店時間に間があるので、暑いことでもあるし
近くの本屋で涼ませて貰った。たっぷりと立ち読みし、トイレも拝借し、涼しく楽しく過ごした
ので、お返しに文庫本(ちなみに大沢在昌著「天使の牙」上・下、ファンである)を2冊購入
した律儀なワタシだ。
「焼き餃子」二人前と瓶ビール大1本を美味しく頂き、こちらも「阪神優勝セール」最終日で
あり、1人前300円の餃子が200円である。安さに涙が出そうだ。「お初天神通り」という、
札幌でいえば狸小路とススキノの新宿通りを足して2で割って、さらにピンク度をプラスした
ような通りのさらに路地にある小さなカウンターだけのお店である。昼から中華をつまみに
ビールをあおるオッチャン達で満席だ。ここが大阪最後の店なんだなあ。感慨も新たに、我
々は空港へ向かった。
空港ではあれこれ土産を物色し、さらに豚マンやアイスクリームを食しているワタシにふと
ダンナは言った。「あれ?オマエ、カーテガンと本はどうした?」あれ?暑いので腕に掛けて
いたカーデガンと先ほど購入した「天使の牙」上・下が無い。あららー、いつから無いのであ
ろうか。餃子の店か、電車の中か、アイスクリームを食べた所か。ダンナは「オマエは一体
何をやってるんだ」と軽蔑の眼差しだ。「なんだってー、アンタだってさっきホテルにサングラス
を忘れてきたじゃないの」と言い返せば「アレは¥500だからいいんだっ」「ワタシのカーデ
ガンだって¥1980だった。しかももう5年も着てるから、減価償却済みだしっ!」←物持ち
良すぎだ。 「本はいくらなんだ」うっ・・。2冊で¥1000ちょっともしたし、未読の本をなくす
のは、痛い。しかし、そこでワタシは思い出したのであった。「こないだ東京から帰って来た
時、千歳空港にカバン(カメラと鍵入り)を忘れてきたのは誰(ダンナ)。それで問い合わせ
して見つかったから空港まで取りに行ってあげたのは誰っ(ワタシだ)」ぐっと詰まり、そっぽ
を向くダンナを見てワタシは勝利の笑みを浮かべる。
だがそれにしても我々は安物を身に付けているものだと改めて気づき、一抹の哀しみをを
覚えたコトではあった(笑)。
雑文記目次へ
HOME