回るワイングラス


休みの夜ともなれば、夕食に何を(どこで)食べようと、あれこれ食べ物やお店を思い浮
かべて嬉しい迷いをする我々であるが、やはりまだ行ったことの無いお店に初めて行く
のはとても楽しみなことである。その日は円山方面にある未訪のビストロに行ってみよう
という決定がなされ、予約の電話をしてタクシーに乗ってウキウキと出掛けた。到着した
お店の正面の大きなガラス窓からは暖かな灯りが道を照らして、とても感じの良いたた
ずまいである。ドアを開けて予約の名前を名乗りご挨拶をする。、こちらのシェフにはちょ
っとした用事があった。実は3〜4年前に別のお店で働いてらしたシェフと一緒に記念写
真を撮ったことがあった。その写真を今までずっと持っていたままだったのでこの機会に
お渡ししようと持って来ていたのである。本当にズボラなワタシだ。シェフはにこやかに写
真を受け取って下さった。写真の中の我々はみんな少しずつ若い(笑)。

メニューを頂いて「お肉のテリーヌ」(好物だし、ビストロらしい前菜だし、そこそこのお店で
味わいに特徴もあり楽しいので、メニューにあればたいてい注文してしまう)「穴子のグリ
エ」(穴子も好物だ。鮨屋では絶対穴子は食べる。洋食屋でもメニューにあれば絶対試し
てみたい)「豚足のパン粉焼き」(豚足はちょっと苦手な気もするのだけど、春頃に別のお
店で頂いた豚足の料理が美味しかったので、今試してみたい食材である)「牡蠣のオーブ
ン焼き」(牡蠣はダンナが必ず注文するもののひとつ)「フォアグラのソテー」(フォアグラは
やっぱりいつでも心惹かれる食材である)等の料理を頼み、ブルゴーニュの赤ワインを頂く
ことにした。

こちらの料理はみな味付けがしっかりしているせいかワインに良く合う。ワインが進んで
とても楽しい気持ちになり、会話も弾むと言うものだ。ところが、ふと気が付くとワタシのワ
イングラスの縁が口を付けた痕跡でいっぱいだ。始めのうちは口を付けた後、指でくいっ
とつまんでふき取ったりしていたのに、飲食に夢中になっているうちにそんな事はすっかり
忘れてしまっていた。また、いつも同じ所に口を付けてあまりグラスを汚さないようにしよう
と気を付けているつもりが、気づけば汚れはグラスを半周もしている。どうしてグラスが回
るのか、本当に不思議である。すっかりオバサンになったワタシでも、美しいマナーで食事
をしたいものと思うのではあるが、こんな所にもズボラが表れてしまうのである。素敵なマ
ダムへ道のりはまだまだ遠いようだ(^_^;


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