オレに関する噂
最近親しくなった同業の方のお店に伺ったある夜。自宅からわりと近いので、ブラブラ
歩いて行ったのだが、この辺りもマンションがとても多い。更に、建築中の高級そうな
マンションも幾つかあり、長引く不況で地価も下がり中央区に住む人口も増えつつある
という話を裏付けるが如くである。近代美術館や知事公館などがすぐ近くにあり、環境
の良さや、交通の便利が良いことなど人を惹きつける要件も多いのだろう。どんどん住
人が増加すれば、お店のお客様も増えるのではないかと、羨ましいことである。目指す
お店はプロバンスの一流店で修行なさったシェフの、とても明るい雰囲気が心地よい
こじんまりとしたレストランである。こういうお店が家の近所にあるということは、とても
幸せなこと。気軽に美味しいフレンチを食べに行けるし、帰りの足の心配などせずに、
酔っ払うことができるのだから(笑)
ブランダードのコロッケにガスパチョをソース代わりにしいた夏らしい前菜や、ここのお
得意のスープ・ド・ポワソン(お魚の裏ごしスープ、魚介類の旨みや蟹だろうか、甘みも
たっぷりのコクのあるもの)、鴨のロースト、仔羊の瞬間燻製など頂きながら、美人で
笑顔の素敵なマダムと楽しい会話も弾む。内緒だけれど、こちらのマダムは上品な美
しい顔に似合わず、スッゴク愉快な方である。短い中にもピリッと笑えるメールを何度か
頂いて、ワタシはこのマダムの持って生まれた天性のお笑い(?)の感覚を高く評価し
ているものである。さて、食事も終わった頃手の空いたシェフも我々の席にいらして下
さり、ご一緒にビールを飲みながら四方山話が盛り上がる。
マダムが言った。
「カザマさんのランチのラストオーダーが1:30になったのは、シェフが趣味に行くため
なんですってね?それなのに私、こないだランチに伺ったとき遅くまで帰らないでシェフ
の大事な趣味の時間をお邪魔してしまって・・・」
「ええっーーーっっ!?」
当店は確かにランチタイムのラストオーダーをだいぶ以前から1:30に繰り上げている。
普通のレストランは2:00から2:30くらいまで入れるだろうから、他所よりかなり早くラ
ンチを終了させていることになる。お客様にご不便をお掛けしていることは恐縮ではある
が、これは我々が二人で営業しているために、ランチの片付けやディナーの仕込み、
準備のための時間を確保するために止む無く設定しているのが理由である。確かに我
がダンナは趣味には打ち込んでいるが、それは休みの日だけである。断じて、ランチの
後に趣味の店に出かけることは無いのである。なのにどこからそんな噂が(笑)
同業の友人と集まると、まあ色々な噂話を含めて他愛ない情報交換を楽しむことは多い
のであるが、自身も俎上に載っていたとは愉快な話であった。みんなの楽しい噂話のネタ
を提供できていたのは大変光栄である。しかし、出所はダレ?潔く名乗って欲しいもので
ある(笑)