春のフランスにて~リヨンの雨

リヨンの駅前ブラッスリーでサラダ・リヨネーズとシャルキュトリーの昼食。旨い!

TGV(フランスの新幹線)で快適に移動するはずが、まさかのストライキに遭遇。
いったいどうなってるのー。ウロウロしながらなんとかリヨンに到着した我々でした。
ちょっと不安になったものの、リヨンの美味にすっかり元気になりました(笑)

フランス国内の移動は、SNCF(フランス国鉄)を利用しました。主要都市間にはTGVがありますので、とてもスピーディーに移動できます。いや、できるはずでした(^_^;

列車の予約はSNCFのサイトでとても簡単にできますので、日本から予約しておきました。TGVの切符なら、自宅のプリンターで印刷して持って行けますから本当に便利です。マルセイユからリヨンまではTGVなので、この切符を用意しました。支払いはクレジットカード決済です。また、早めに購入すると、プレム(Prem's)という早割がとてもお得です。変更や無料キャンセルはできないので気を付けなければいけませんが、なにしろ安いんです。これを利用しない手はありません。
ということで、お得で便利な切符を持って意気揚々とマルセイユ・サンシャルル駅に出向いたのですが、、、。

さて、駅の出発案内を見ても、何度見ても、どこを見ても、我々の乗る列車のインフォメーションがありません。いったいこれはどうしたことか。ワタシのつたない語学力でなんと言ってこの事態を打開すればよいのか・・・ひー(T-T)

切符売り場の窓口にも長い列ができています。とりあえず、なんの窓口かわかりませんが人のあまりいないところに行って、あやしい英語で「ワタシの列車の案内が見つかりません。」と、こう言ってみました。
こんな場合なので、窓口に来る人の用事はみな同じでしょう。係の人は、ワタシを理解して救助してくれました。この時の係の男性はわりあい親切な方で、ストライキでこの列車はキャンセルされたことを教えてくれて、代わりに乗るべき列車の番号と時刻(予定より2時間くらい後)を紙に書いてくれました。我々の予約した座席はどうなるのか疑問がわき、聞いてみましたが、それはここでは分からないとの答えでした。誰に聞くべきか、彼は説明しているようでしたが、ワタシには聞き取れませんでした。が、その時。背後から「シャチョーさん・・・」という天の声(笑)のようなものが聞こえたのです。え?社長さん?なに?・・アッ、車掌さんねっ。そういえば係の人が「キャップを被ってホームにいるスタッフ」と言ってるではないか。「天の声」は、なんとダンナの声だったと気が付きました。こうして、二人三脚で事態は一歩前進したのでした。
また、変更不可の切符とはいえ、このキャンセルはSNCFの都合ですから、新たな料金は掛らなかった事も付け加えておきます。

さて、座席です。ようやくホームに入線してきた列車の自分の座席に行くと、当然他の人が座っていました。ホームにいた女性の車掌さんに、どこに座れば良いか尋ねても、元々の座席を示すばかりで、他の人がいることを訴えても「私は英語が分かりません。」と言われてしまいました。こうなったら、、、ワタシはその車掌さんの腕を掴まえて、車内まで引っ張ってゆきました。そうしてワタシたちの座席が空いてないことを分からせると、彼女は辺りを見回して「あそこに」と空いてる座席を指さしました。要するに、空いていたら、勝手に座ってればいいんですよ、ということなのでしたー。なるほど。でも、またその座席指定を持っている人が来たら? また空いてる席に移る。無ければあきらめて立っている。そんなことだったのですね・・・。
(もちろん、ストライキ中だけのことで、普段は座席指定が無いとTGVには乗れません。)
幸い、確保した座席には他の人が来ることもなく、リヨンまで無事に到着致しました。

大きくてモダンな、リヨン・パール-デュー駅

レアール・ド・リヨン ポール・ボキューズ
リヨン駅からタクシーでホテルに乗りつけ、チェツクインするや否や駆けつけた場所が、こちらの中央市場レアール・ド・リヨン ポール・ボキューズでした。リヨン近郊の三つ星レストランのシェフ、ポール・ボキューズの名を冠した市場です。市場内のお店を見学するのはもちろん、ここにはレストランもたくさんあり、牡蠣などをカウンターで食せるお店もあると聞いていて、お昼はここでと決めていたのでした。列車が遅い便になってしまったので、取るのもとりあえずやって来たのですが、やはり遅すぎました。お店はもう昼休みに入って閉まっており、レストランも後片付けの最中でした。残念~(T-T)

ガックリとうなだれながら、駅方面へとぼとぼ歩いて行きました。
駅に着いた時は混んでいたし急いでもいたので、明日のため再度駅の様子を把握しておこうと考えたのです。リヨンからボーヌの切符は、ネットで予約はしてあるもののこちらは各駅停車の在来線のため、窓口か自動販売機で切符を買わねばならないのです。切符売り場は
billet、案内所はaccueil。乗る列車を求めて、さまよう我々は「それはアキュで聞いて。」とあちこちで言われまして、まずアキュはどこだ、と案内板を見上げるのが習慣になりましたよ(笑)

ビエとアキュを確認して、今度は空腹をなだめるために駅の外へウロウロと出て行きました。

シャルキュトリー盛り合わせ。

ポという瓶に入った赤ワインを飲んで、サラダ・リヨネーズ。
駅前には、幾つものカフェやブラッスリーが並んでいます。ざっと見てから、適当な一軒に入りました。ごく普通の駅前食堂といった感じで、全く期待しなかったのですが、注文したシャルキュトリーもサラダ・リヨネーズもとても美味しかったのです。中央市場で食べられなかったことも、ストライキで疲れたことも、空腹が治まるとともに、すっかり忘れてしまい、くつろいだ気分になって来ました。
ワインはコート・デュ・ローヌの赤で「ポ」と呼ばれるガラス瓶のデカンタに入って来ました。ウチの店にもありますが、この辺りで使われているものなんですねー。

シャルキュトリー盛り合わせとサラダ・リヨネーズは、リヨンのレストランではとてもポピュラーなお皿なんですね。レストランのメニューにはたいがい載っていました。シャルキュトリーはハム、生ハム、パテ、サラミなど。サラダ・リヨネーズはポーチ・ド・エッグとベーコンが入ります。

お腹がいっぱいになったところで、リヨン観光に出掛けました。

ベルクール広場です。
ソーヌ川。
ヨンの街は、ローヌ川とソーヌ川に挟まれて、大きく分けるとローヌ川右岸の商業地区、ローヌ川とソーヌ川の中州の新市街地区、ソーヌ川左岸の旧市街地区となります。
TGVが到着したパール・デュー駅は近代的なビルが立ち並ぶ商業地区にあります。中央市場もこちらです。

宿泊したホテルは中州にありまして、こちには昔ながらの建物が多い風情のある界隈です。赤い土が印象的なベルクール広場があります。
そして、ソーヌ川を渡ると旧市街、ノートルダム・ド・フルヴィエール・バジリカ聖堂のあるフルヴィエールの丘があります。

高いところ好きのワタシは、ダンナを引っ張って早速丘に向かいました。
サン・ジャン大司教教会の近くのメトロの駅には、丘の上に登るケーブルカー乗り場もありました。このケーブルカーはトンネルの中を通って登ってゆきます。丘の上からは、リヨンの街が見渡せて、赤い屋根の建物が揃い美しい眺めでした。

フルヴィエールの丘からの眺め。
金のマリア像がここにも。

旧市街の風情ある通り。
ルネッサンス様式の建物が立ち並ぶ、とガイドブックに書いてあった(^_^;
コックさんの形の黒板を買いました。


このお店は、プロバンス在住で通訳・翻訳・ガイドをなさっている方のブログ南フランス・プロヴァンスからで見つけました。南仏へ行かれる方にはとても参考になるブログですよ~。オススメ!
旧市街の細い道の両側にはレストランやお店やさんがびっしりと並び、冷やかし散歩にはもってこいの通りがたくさんあります。

お客さまに教えて頂いたワインのお店Antic Wineもこの地区にあります。
Antic Wine
18 Rue du Boeuf, 69005 Lyon, France
04 78 37 08 96

可愛い黒板を売るお店がありました。
黒板屋さんのマダムはなかなか厳しくて、魚やワインボトルやニワトリ、ネコなどなど色々な形の黒板が所狭しと置かれてあるもので、ついつい触ったりしようとすると"Don't Touch!!"と叱責されました(^_^; 「写真撮ってもいいですか?」と尋ねると"NON!"とぴしゃっと断られました、、、でも、それ以外は普通の接客でしたから、イケナイのはワタシですねー(笑)。
Les Ardoises de Lyon
3 Rue Soufflot, 69005 Lyon, France
04 78 37 57 89


日本人の方がいるワイン屋さん。
カワイイ黒板を売るお店。

ブション・ムニエール

気の合った仲間で訪れてワイワイ楽しそうな地元民たちでした。立派な髭のムッシュがオーナー。

アミューズ、この正体は・・?

鯖の前菜、一人前一尾です!
観光を楽しんだ後は、夕食です。リヨンに詳しい知人に教えて貰ったお店ブション・ムニエールに夕方電話をしてみると8:00pmに予約ができました。マダムが英語で受けてくれましたよ。ブションとは、リヨン独特の飲食店のスタイルで、庶民的な雰囲気の中リヨンの郷土料理が頂けるということです。
La Meuniere
11 rue Neuve - 69001 LYON - 04 78 28 62 91

場所は中州のエリアでホテルから歩いて行きました。ポール・ボキューズのブラッスリー・ノールと同じ通りにあり、斜め向かいでした。明るい照明のお洒落なブラッスリー・ノールとは対照的に、なんだか暗くてひっそりした雰囲気のムニエールでした。
扉を開けると、奥からマダムが出てきて迎えてくれましたが、他にはお客さまもいなくて、どうしたのかしらと思いました。六人くらい掛けられるテーブル席に案内されて腰かけると、扉が開いて「ボンソワール!」と次のお客様が入って来ました。と、思う間もなくそれから次々とお客さまがみえて、あっという間に満席になってしまいました!すごいですねー。みなさん、地元の方でグループで賑やかにワインと料理を楽しんでてらっしゃいました。


さて、テーブルの上には何やら気になるモノが。左上のどんぶりに入った物体、、、おそらくアミューズというかメニューを選びながら頂くおつまみなんでしょうが、一体何だろう?一つつまんで食べてみますと、サクサク、コリコリ香ばしいナッツを揚げたものかしら。後で聞いてみたら、「豚の皮を揚げたもの」ということでした。ふーーん、こういうお店は豚一頭丸ごと仕入れて、ソーセージやハムを仕込んで、脂身も血も使って、残った皮はこういう風に使うのね。感心。
ダンナは前菜に鯖のお料理をメインに牛テールのトマト煮込みを取りました。ワタシは主菜のクネル一皿にしておきました。ワインはサヴォアの白ワインを一本貰いました。

鯖は白ワインで煮て、冷製にしたもので、にこごりのようなゼリーと甘酸っぱい玉葱のソテーが添えられています。なかなか美味しい味付けですが、一人前一尾とはたっぷりな量でしたね。
牛テールも骨付きの固まりが三個ついてきました。トマトで煮込んだ後、グラタン皿に入れてオーブン焼きになっています。
ワタシのクネルは、思ったよりフワフワしてなくてしっかり味がついてとても口に合いました。ただ、他のお客様のクネルを見ると、ワタシのは焦げすぎていると思いましたが(笑) かなりたくさんの方がクネルを注文していました。やっぱりクネルは定番のリヨンの美味しいものなんですねー。
マカロニグラタンは二人で一皿でした。どの人にも出るようです。チーズは中央のテーブルに大きな固まりのものもドンと置かれて、好きなものを選ぶとテーブルに持って来てくれて、自分で好きなだけ取って、と言われました(^_^;。


牛テールのトマト煮込み。

美味しいクネル。

付け合せのマカロニグラタン。

チーズは好きなだけ。

相席になった地元のご夫妻と。

奥さまが英語で話しかけてくれました。
我々のテーブルは相席になりまして、隣のフランス人ご夫妻の奥さまが気さくに話しかけてくれ、とても楽しいひと時となりました。奥さまは英語もできて、また昔日本語も習ったことがあるとのことで、親日家なのかも知れませんね。
日本語で、「アナタハ、日本人デスカ?」と聞かれましたので「はい、私は日本人です。」と、正式にお返事致しましたよ(笑)

奥さまに、「ここはリヨンのブションで一番のお店なんだけど、どうして日本人のあなたたちが来ているの?」と尋ねられました。うわー、やっぱり人気のお店なんだわー、と嬉しくなりました。このお店はリヨンに以前住んだことのある知人から、リヨネ(リヨンの郷土料理)を食べたいなら、お勧めのお店です、と教えて貰ったのでした。

お料理もお店の雰囲気もお客さまたちも、バリバリリヨンて感じで、楽しかったですね。本当にこのお店は気にいりました!機会があればまた伺いたいものです。


グランド・ホテル・ボスコロ★★★★
リヨンでは、グランド・ホテル・ア ボスコロ・ファーストクラス・ホテルに宿泊しました。こちらはBooking.comで手配しました。プロモーション価格がとても安くて、この値段で4つ星ホテルに泊まれるなら、とすぐ決めました(笑)

Booking.comは、日本語サイトがありますから使いやすくて、便利でした。ちゃんと予約されてるかなーとちょっと心配でもありましたから、直接ホテルに予約確認のメールもしてみましたが(本当は必要ないのですが)、すぐにお返事も頂けました。

このホテルは中州にありまして、とても立地が良いです。中州や旧市街の主な観光地、レストランなど歩いて回れます。パール・デュー駅からはちょっと遠いので、バスかメトロ、タクシーの利用になりますが、タクシー料金も安いです。

部屋はまあまあ広くて清潔、バス・トイレは別でしたし気持ちよく利用できました。このホテルは四角の回廊状態に廊下があり、したがって部屋は外の風景が見えるものと、内側に面して景観が無いものとになります。我々の部屋は、その景観が無い方の部屋でしたが、風景は外に出れば見えますし価格を考えれば満足な部屋でした。


また、こちらのホテルのスタッフは温かみのある親切な方ばかりで、対応がとても気持ち良かったです。SNCFのストライキも気になっていたので、着いた日の夕方と翌朝と2度状況を尋ねましたが、すぐにネットで調べて下さいました。やはり我々の予約した列車はキャンセルされることが分かり、その前後の列車に振替になるだろうから、早めに駅に行ってみた方がいいでしょうというアドバイスを頂きました。ということで、翌朝は予定より早くホテルを出て一つ早い列車に乗ることができました。午前中はソーヌ川沿いに立つ朝市を見てから出発したかったのですが、これをあきらめたのも残念なことでした。

一つ、トラブルもありました。我々の宿泊したフロアはカードキーの部屋でしたが、これがちょっと不調でなかなか鍵が開かずに難儀しました。この時すぐに直して貰えば良かったのですが、何度か試したら開いたのでやり方が悪かったのね、と思ってしまったのです。結局、夕食で気持ち良く酔っ払って帰って来たら、どうやってもドアが開かずに夜中にフロントまで降りて、警備の人に来て貰いマスターキーで開けて貰うはめになってしまいました。翌朝フロントの人に頼むと、すんなりと直して貰えたのです。不調はほっておいてはいけないですね(^_^;

朝食の品数は期待したほどではありませんでしたが、普通に美味しいものでした。

きれいで設備も立派なお部屋でした。

スーツケースも何個も広げられるくらい広さも十分です。

向かいのお部屋の窓しか見えませんが、プロモーション価格の安さを考えると十分(笑)。最上階なので空が見えるしね。

朝食ははこんな感じです。
Grand Hotel, a Boscolo First Class Hotel
1
1 Rue Grolée, 2e arrondissement, 69002 Lyon
+33 472404545
1泊(朝食込) 1室115€








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