常夏の国のマレーシア
クアラルンプール編 その2
中華街からプトラLRT線に乗車、いよいよツインタワーのあるKLCCへ。
まずは腹ごしらえとショッピングセンターである、スリアKLCCへ行く。とてもゴージャスなデパートである。ここの4階はレストラン・フロアがあり、半分はフード・コートになっていて、ほぼ満席の状態で多くの人々が食事を楽しんでいる。奥の半分はちょっと高級そうなレストラン街で、こちらも賑わっている。回転寿司の店もあり、大繁盛だ。寿司の人気はどこの国でも高いようである。
さて、我々の目的のお店は「マダム・クワン」のレストラン。こちらで「フイッシュ・ヘッド・カレー」を頂こうとわざわざやって来たのであった。
このレストランもほぼ満席、禁煙席を希望すると、隅の小さなテーブルに案内され、メニューを渡された。料理は結構お高めのお値段である。
「フィッシュ・ヘッド・カレー」をひとつ、ライスをひとつ、ビールという注文。二人なのにケチクサイ注文じゃないかとお思いの方があるかも知れない。
サービスの方が「量が多いですよ」と念を押す。それでもここでこの料理を押さえておかねばならないので、「OK!」と返事をすると、「それでは大きなテーブルへ移りましょう」とテラス席に近い広いテーブルへと案内して下さった。
さて、ここのフィッシュ・ヘッド・カレーはこんなである。
かなり食べたけれども、食べても食べても減らないような気がした(笑)。ココナツ・カレーはやや甘いけれど美味しいし、魚の身もたっぷりついていて、旨い。この料理は数人で食べてもちょうど良い位であろう。帰りがけ他のテーブルに運ばれたのを見かけたが、その席では若い男性が3人で鍋を囲んでいた。若いからきっとペロリだろう。
お皿に盛り付け
大きな魚の頭が入ったココナツ・カレー。
一生懸命魚の頭をさばくシェフ。頭だけといってもデカイので食べる所もたくさんある。
全部で90RMくらいスリアKLCCの裏側にはきれいな広い公園があり、そちらに出てツインタワーの鑑賞。KLの空は高くて広い。青い空をバックにツインタワーの外壁が輝いて、本当にきれい。
このタワーを舞台にした「エントラップメント」という映画がある。ショーン・コネリーとキャサリン・ゼタ・ジョーンズが共演したロマンティック・ラブ・泥棒ものである。
二人は追われて逃げる時、この二つのタワーをつなぐ41階の連絡橋(一般人が昇れるのはこの展望台まで)からぶら下がるのだ。
しかし、写真より映画より本物は美しく、迫力がある。ぜひ一度、このタワーの最上階に昇って、景色を眺めてみたいものである。ペトロナスの社長と友達にならねば無理であろうか(笑)
タワー先端と人物を一緒に配するのは難しい。顔半分のシェフ(笑)スリア1階のカフェ・ドームでお茶。というかアイスコーヒーとビール。
KLCCからホテルまでは歩いてでも帰れる距離のようだが、何せ炎天下歩くのはちょっとツライ。ということで、タワー前のタクシー乗り場からタクシーで帰ることにした。
1台のタクシーに料金を聞くと「15RM」と言う。ペナン感覚の我々はそれは高いだろうと思い、交渉するも彼は絶対下げない。じゃあ、いいよ、と別のタクシーへ。料金を尋ねると今度はメーター・タクシーだと言う。へー、この国へ来て初めてのメーター・タクシーだ。それなら安心ということで、このタクシーに乗って帰ることにした。
ホテルは確かに近かった。でも、一方通行と渋滞のせいで、刻々とメーターは上がる。結局料金は17RMとなってしまった(^_^; 最初のタクシーに乗れば良かったのである。でも早朝などの混んでいない時なら15RMはかかるまいな。リージェントの3階にはお洒落なプールがある。ラグーン型で回りにたくさん木を配した、大人の隠れ家って感じだ。プールに行こうとエレベーターに乗ったら途中の階から外国人の老夫婦がバスローブ姿にビーチサンダルで乗り込んで来たので、大変驚いた。確かにフロントなど通らずにプールに行けるが、バスローブ、ありなんだろうか。ワタシが世間知らずなのかも知れない(^_^; ご挨拶して「プールですか」と聞いたらそうだとの事なので、プールまでご一緒に。お二人は仲良く並んでデッキチェアに水着姿で横たわると、あっという間に眠り込んでしまった。長旅でお疲れだったのだろうか、風邪をひかねばよいけれど。
さて、ここのデッキに席を占めると、すばやく冷たいオシボリと冷水のグラスがサービスされた。やっぱり高級ホテルだなあ。じーん(笑)
そうしてつつがなく、空港へ向かい何事もなく成田経由で新千歳、自宅へと戻って来た。常夏の国はもう遥かかなたで、ここ札幌は氷点下の氷の国となっていた。夢のような真夏の数日であった・・・。チェックアウト後出発までの時間を利用して、リージェント1階のレストラン・ブラッスリーで食事。
鶏もも肉のコンフィ
仔羊のローストおまけコラム
「リンギ貧乏」
一番初めにマレーシア通貨はリンギットで1リンギは約30円、と書いた。そうするとそこここで使ったお金を日本円に換算してみると、モノの値段はとても安いのだなと思われるだろう。確かに安い。物価の違いがあるから、日本の1/3くらいの感覚だろうか。
ところが、現地にいると、我々の場合日頃の貧乏性もあるのだが、ちっとも安いと思えないのである(笑)。
屋台で5RMや8RMで美味しいご飯が頂けるとなると、100RMも支払うようなレストランの食事はモノスゴク贅沢な高いもののような気がしてしまうのである。100RMといえば、約3000円。日本にいれば、二人で3000円の食事は安いと思う。だから現地でも安いなーと喜んでもっと贅沢しても良いのではないか。ところが、どうしてもそうはならないのだ。
夜市で帽子を買った時もそうだ。35RMの帽子のどこが高いのか。1050円である。20RMに負けて貰って喜んで買ったが、600円の安さだ。何も現地の小学生の女の子に負けさせなくても、逆にお店番偉いね、といってお小遣いでも上げたらどうなのだろう。でも、その時はごく単純に35RMの帽子は高い、と感じただけなのだ(^_^;。
タクシー代の5RMを値切ってもどうだろう。150円安くなっただけである。
せっかく観光地に行った観光客である。ぱーっと鷹揚にお金を使って楽しむのも悪いわけは無いだろう。
リンギの魔法にかかったのだろうか。時々は日本円を思い出して、ちっとも贅沢じゃないと自分に言い聞かせるのだが、やっぱりリンギ貧乏に戻るのだった・・・。
「ツナミ」
ペナン旅行を思い立ったのは、昨年の10月頃だったか。そして、スケジュールを調整し、ルートを決めて予約をしたのが11月だった。楽しみに真夏の国のリゾートを想像していたが、12月の末のスマトラ沖地震のニュースを聞いた時には心底驚いたものである。その災害の規模の大きさには、もちろん驚くが、やはり自分が行く予定の場所も被害にあったということで、どうしたものかと考えた。
幸い、ペナンは他の地域に比べれば軽微な被害らしいが、それにしてもそんな大変な時にのほほんとした顔で旅行などしても良いのだろうか。そんな風に思った。テレビ・新聞のニュースではペナンのことは良く分からなかった。ビーチに押し寄せた津波の映像は頻繁に放送されたが、現在のペナンについてはほとんど報道が無い。そこでインターネットで検索してみたら、ペナンにお住まいの日本人の方のサイトに行き当たり、ペナンの状況が、いち早く詳しく更新され、ペナンは大丈夫ということが良く分かった。また、タイもインドネシアもスリランカもそうだろうが、観光産業は経済の大きな柱だと思われる。被害地に近いというだけで、風評被害で観光客が減少してしまったら、大変だろうということは想像がつく。
それで、旅行を取りやめるというような事は一度も考えなかった。伝染病なども心配しなかった。だって、現に住んでいる方が元気に暮らしておられるのだから。実際、ペナンでは蚊も見かけなかった。
本当のところは、なかなか新聞やテレビのニュースには載らないのかも知れない。そういう意味では、情報の取捨選択は必要かも知れないが、ネットは有難く、また興味深い。
最後になりましたが、亡くなられた多数の方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、被害地の復興が進み元の美しい海や緑を取り戻して、住人の方々の生活の安定と、世界中から訪れる人々に癒しを与えてくれることを心より願っております。