春のフランスにて〜モレサンドニの夢、その1


ブシャール・ペール・エ・フィスの試飲室で、存分に試飲させて頂く幸せ

今回の旅で一番楽しみにしていたブルゴーニュのドメーヌ訪問。
青空の下、ゆったりと広がる葡萄畑もとても心地よい風景でした。


テル・デ・ランパールに朝、ガイドをお願いした花田さんにお迎えにいらして頂きました。花田さんは、モレ・サンドニ村のプチホテル、カステル・ド・トレ・ジラールのレストランに勤務するソムリエールです。ブルゴーニュの葡萄畑をガイドしてもらい、ドメーヌでは通訳をお願いいたしました。

今回は、お取引のあるワイン屋さんを通してインポーターさん、現地ネゴシアンの方に見学先をアレンジして頂きましたので、とても充実した見学をすることができました。ご協力下さいました方々に本当に感謝です!

最初の訪問は、ボーヌ市内にあるブシャール・ペール・エ・フィスです。創業1731年の歴史ある名門、ボーヌの城壁のすぐ内側に社屋があります。
ブシャール家はフランス革命後に、教会や貴族が国に没収された葡萄畑を払い下げる折に、優秀な畑をどんどん手に入れて、大きくなってゆきました。さらに1820年、ルイ11世と12世が15世紀に築いたお城「シャトー・ド・ボーヌ」を手に入れました。これが現在のブシャール社で、地下には広大な熟成庫があります。

現在は、シャンパーニュのアンリオ社が経営しておりますが、脈々と続いて来たワイン作りの歴史と、また後世にもこのワイン文化を残していこうとする精神に、感動致しました。

ブシャール社の
西山さんに、地下熟成庫と迎賓館のお庭までご案内頂きまして、詳細な解説をお聞きしました。

花田砂丘子さん(左)と、ブシャール社の西山さん。

さあ、いよいよ地下蔵ツアーの始まりです。

一番古いワインはACピノ・ノワールだそうです。

No.11はムルソー・シャルム1846年もの(カーソルを置いて下さい)
熟成庫には、数百万本ものワインが、理想的な温度・湿度の下で出番を待ちながら眠っています。
また、1800年代のものもあるオールドヴィンテージのワインも相当数ありました。
ブシャール社の貯蔵ワインは、全て番号で管理されているそうです。名前を書いていないので、戦時中は敵軍の略奪を免れることができたそうですよ。どれが高価なワインなのか、分からなかったのですねー。
番号は1番から始まってました。これらの古酒は、研究用に時々開けることはあるそうですが、販売されることはほとんどないそうです。後世のために保存することが一番の目的だそうです。
ヴォルネイ・カイユレの1961年ものが眠ってました。2003年にリコルクしたことが、コルクに刻印されているのが見えます。

ボーヌの街の古地図が飾ってありました。現在は社屋と迎賓館の間は、ボーヌの旧市街へ向かう大通で分断されててますが、昔は一つの大きな城塞だったそうです。

天井からは、鍾乳石が。

ボーヌの古地図。

ヴォルネイ・カイユレ1961

地下蔵を巡って、小さな扉から出るとそこは、迎賓館側のお庭でした。秘密の花園みたい

ルイ11世が作ったという、物置小屋? 趣味の小部屋として使っていたらしい、、、
そんな由緒ある物置が、さりげなくフツーにちょっと壁がはげたりしながら(^_^;

屋根の模様が美しい迎賓館をバックに記念撮影を。


古酒が眠るカーブを探検して、迎賓館のフランス式庭園をお散歩して、歴史あるブシャール社の逸話を色々お聞きした後は、たくさんのワインの試飲が待っていました〜!

同じヴィンテージの畑違いのワインを比較しながら、西山さんに丁寧に解説して頂き大変参考になりました。
ブシャール社は有名な会社ですし、今までも色々なワインを飲む機会もありましたが、こうしてカーブの見学などした後では、やはりまた思い入れが深まりますね。大きな資金力のある会社ならではの、後に続く世代までも見越したワイン文化の伝承を担っていることに、とても心を揺さぶられたことでした。


画像にカーソルを置くと、他のワインも見て頂けます。

ヴォルネイ村の葡萄畑。
ブシャール社を出ると、そろそろお昼時。ガイドの花田さんのご案内で、ヴォルネイ村のビストロへ向かいました。広い青空の下、葡萄畑がどこでも広がっているブルゴーニュのドライブは、とても快適でした。

次に訪問するドメーヌ・アンリ・ボワイヨはヴォルネイ村にあります。ここのビストロからは、ちょうど葡萄畑をを挟んだその奥にボワイヨさんのお家があるそうです。

オーヴェルジュ・デ・ヴィーニュは、葡萄畑に面して建つ可愛い田舎家といった感じです。中へ入りますと、奥の部屋に通され、そこは壁一面ガラス張りとなっておりました。ヴォルネイの葡萄畑を眺めながら食事ができる、素敵なビストロでした。

メニューには、いかにもブルゴーニュらしいビストロ料理が並びどれも食べてみたいものばかりでしたが、この後も試飲があることを考えますと、ちょっと軽くしておいた方がいいかも知れません。
ワタシはウフ・ムーレット(ポーチ・ド・エッグの赤ワイン煮)とコック・オ・ヴァン(鶏肉の赤ワイン煮込み)にして、ダンナはグルヌイユ(カエル)のフリカッセ、空豆のフラン添え、花田さんはロニョン・ド・ヴォーのローストでした。花田さんはロニョン・ド・ヴォー(仔牛の腎臓)が大好きだそうです。さすがですね!
ワインも控えめに、、、地元のワインをグラスで一杯ずつ貰いました。地元と言ってもポマールを頂きましたから、贅沢できました〜(笑)




オーヴェルジュ・デ・ヴィーニュ
Auberge des Vignes

Route de Chalon 21190 Volnay Cote d'Or
TEL.03. 80. 22. 24. 48



春のフランスにて〜モレサンドニ編その2へ 続く

ガラス越しの葡萄畑。

グラスワインも上等!

ウフ・ムーレット
コック・オ・ヴァン(カーソルを置いて下さい)

グルヌイユのフリカッセ
ロニョン・ド・ヴォー(カーソルを置いて下さい)

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