九州の旅〜長崎編
2001年9月


グラバー園にて
長崎・グラバー園にある西洋料理ゆかりの碑。
いにしえ夜毎夜会が開かれていたであろう素敵な洋館のキッチンでは、当時の調理用ストーブを見学できた。

今回は南国九州での研修旅行である。我々は2人とも九州を訪れるのは
初めてであり、名物料理などを頂くのが大変楽しみであった。こんな時に腹
の持ち合わせがヒトツというのは残念至極なことである。誰か「別腹」を貸してくれないものか(笑)
台風が心配であったが、日ごろの質素な生活ぶりに神様も同情して下さるのか、台風は台湾へと向かい九州は雲ひとつ無い絶好の旅行日和となったのである。だが、暑い〜、30度の気温にへたばる北海道人の我々だ。

宿へ向かうタクシーの中で、運転手さんにカステラはどこで買うつもりか、と問われた。「文明堂以外で・・(あまりに有名なので長崎でなくとも買えると思ったので)」と言いかけると、彼はワタシを遮って「ここのもんは福砂屋以外買わんけん!」とキッパリおっしゃる。そ、そうか福砂屋ね。しかし。福砂屋は確か三越札幌店にもあったのでは・・?うーん、だけどこうまで言われては他では買えないなー。なので、福砂屋でも本店で買えば価値観があるかと本店まで行ってカステラを買い求めたワタシであった(^_^;
福砂屋本店とてもクラシックな福砂屋本店。

出島ワーフでハマグリを焼きつつカメラ目線でポーズを取るカザマ。
長崎ではやはり「卓袱料理」であろうか。坂本竜馬や伊藤博文も上がったという料亭で頂きたい所であったが、腹六分くらいにしておくために、観光客でも気楽に入れそうな卓袱レストランに出かけた。とても手頃な値段で卓袱のさわりのようなミニコースを頂いた。最初に「おひれ」というお吸い物が出て、まずは飲み物よりご挨拶より先にこれを頂くのがお作法らしい。そのあとは何から頂こうと好きにして良いとのこと。「豚の角煮」は卓袱には付き物のようである。最後には「梅鉢」といってお汁粉が出た。生姜風味でなかなか美味しいものである。

「出島ワーフ」にも出かけた。港に面してレストランがたくさん入った建物があり、オープンエアになっていてテラス席も設けられている。イタリアンとバーベキューのお店を選んでテラスに席を取り、モンテプルチアーノを飲んだ。港の風に吹かれて、これはなかなか心地よい。テーブルに置かれた炭のコンロでハマグリやラムを焼く。お店の中では、外国人の2人組がピアノとパーカッションを演奏しながら歌っており、その甘い歌声が港へ流れてゆき、これはもうオジサンとオバサンといえどもすっかりリラックスして気分の良いことこの上ない夜であった。
午前中、買い物がてら近所を歩き回ってみた。いたるところに露店が出ている。主に生鮮、青果である。見慣れない魚も売られていた。売り子のおばさんに聞いてみると、「シズ」という名前の小魚である。どの露店にもある。煮付けでも塩焼きでも揚げ物でもなんでも良いようだ。こちらの人にはいつものおかずの魚なんであろう、北海道のホッケみたいなものか。
市場にも行ってみた。イキの良さそうなレンコダイやキス、車海老など色々並べられている。さっき見たシズもいっぱいあるなあ。旅行者の身で生ものは買えないのが残念である。野菜・果物は特に珍しいものはみかけなかった。里芋類が豊富に売られていたようではある。
ウロウロ歩いていると、カラスミの専門店をみつけたので、早速ノレンをくぐった。箱入りの立派なものは何万円もするものがあり、とても買えないので、半腹ずつパック売りされている安価なものを少しばかり購入(笑)。カラスミ・ソースにしよう。それにしてもこういう老舗のお店の構えは年輪を感じさせて魅力的であるな。さすがに歴史のある街である。古いものと新しいものが渾然一体となって共存しているのである。ワタシはすっかり長崎が好きになった。
カラスミ専門店。

露天に並ぶ魚介類。白っぽい小魚がシズ。

マーファール。ノーマルとソフトがある。でもどっちも固い。
長崎には中華街もある。歩いてもすぐ突き抜けてしまう小さなものだが、近所の食堂街みたいな感じで親しみやすい。中華菓子のお店があったので、ねじりんぼうの形のマーファールというお菓子を購入。店員さんが色々なお菓子を味見させてくれ、セルフサービスのウーロン茶も頂いた。

その後昼食にもちろん長崎ちゃんぽんである。中華街のお店で食したが、あっさりしつつコクのある美味しいスープに太目のちょっともそっとした麺、それに野菜と魚介類の具がたくさん入っているが、スルスルとお腹に収まってしまった。
ダンナは食欲が無いようだが、昨夜ワタシが寝たあと、近くの屋台に出かけて飲みすぎたらしい。どこにいてもマイペースなヤツであるな(笑)。

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