八雲・工藤シープ・ファーム訪問
2002年8月20日
フランス料理には欠かせない食材の仔羊。柔らかい赤身の、香りと味わい
豊かな美味しい仔羊肉はワタシの大好物でもある。当店を始めた頃、
仔羊は苦手、というお客様が意外と多いのに驚いた覚えがある。しかし、
今は仔羊はとても人気がある。きちんと料理された品質の良い仔羊の
美味しさを知る人が増えてきているのだろう。
そして、北海道は「羊牧場」がたくさんある所だ。地元産の羊について勉強する
必要は大いにある。ということで、我々は「羊牧場」の訪問を始めることにした。
最初に八雲の「KUDO SHEEP FARM」を訪れたのである。
朝の8時頃、札幌を出て国道を函館へ向かってひた走り八雲市街を過ぎたあたりから山の方へ入って行き、「工藤シープファーム」に到着したのはお昼頃であった。 羊飼いの工藤さん(写真・左)はご覧のようにスラリとした青年である。比べて我がシェフ(写真・右)は腹が目立つお年頃となってしまったのが、よく判る(^_^; 工藤さんは奥様と二人で廃校となった小学校跡地で暮らし、羊を育てている。奥様は羊の毛で可愛い羊グッズを作ったりもする。お二人のナチュラルな暮らしぶりはホームページで拝見することができる。羊の写真集もあり、その可愛さには目が離せなくなることウケアイである。 http:// |
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こちらの羊は顔の黒い「サフォーク種」である。 | |
ヒヨコが成長した姿である。ハーレムで白い雄鶏は、 「コケコッコー!!」と、しきりにトキを上げて威張っていた。その甲高い叫び声はどことなく当店のシェフを彷彿させるモノがある(笑) 我がシェフもよく威張っているのだが、残念ながら我が家はハーレムではなく、威張る対象の人間(ワタシ)はそんな時そそくさと彼の前から姿を消してしまうのである(^_^; ゆったりした広さのケージの中を鶏たちはせわしなく動き回りながら、楽しそうに遊んでいる。けっこう騒々しい。 |
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そうして、雌鳥たちは3〜4日に一度、卵を産む。お産はやはり雌鳥たちにとっても産みの苦しみがあるそうで、苦しさのあまり暴れてそこにある卵を壊してしまうこともあるという。同性として、そんなに頻繁に産みの苦しみを味わうのかと思うと雌鶏への同情と尊敬の念を禁じえないワタシであった(T_T)
美味しい卵をありがとう、メンドリ! こちらの卵は飼料が小麦主体のため、色はやや薄め(とうもろこし主体の餌だと黄色が濃くなる)。 黄身の盛り上がりと、そのすぐ外側の濃厚卵白の盛り上がりも生きの良さのあらわれである。卵の表面の細菌などから保護する役目のクチクラ層を守るために洗卵はせず、1個1個丁寧に拭いているため、日持ちも良いとのこと。 実に手間ヒマかけられた卵である。 |
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で、当店ではこの卵から例えば、こんなデザートを作る。 「バニラのプティ・ポ」 プティ・ポとはフランス語で小さな鍋という意味であるが、小さな壷のような入れ物に入った、伝統的なカスタードのデザートである。プリンをもっと柔らかく滑らかにしたような感じで今当店の人気デザートのひとつである。このデザートには美味しい良質な卵が欠かせないのである。 地鶏卵 ピヨ鶏舎21 夕張郡長沼町東3線南6番地 TEL&FAX01238-4-4580 |