マレの散歩〜その3


日曜日、バスティーユの朝市に出掛けた。ホテルの最寄駅は
サン・ポールだからバスティーユまではたった一駅の近さなので
当然歩いて行く。雨模様なので傘さして。ここのマルシェは
結構規模も大きくて何でも揃っていてとっても楽しい。
この写真はすっごく大きなブルターニュ産のオマール海老だ。
こんな立派なオマール、一体誰が買っていくのだろう。



ブランチ13ユーロ。
バスティーユに着いたらまず腹ごしらえ。日曜日だったので、駅前のカフェにはプチ・デジュネはなくブランチ。左の写真のように大きなお皿にはクレープ、いり卵、チーズ、生ハム、サラダがどーんと。
パンとジャム、オレンジジュースとカフェかテ、ショコラももちろん付く。大変な量だ。お値段も立派だし、これならビストロのデジュネ(ランチ)の方がいいかな。
食後さてさてと朝市に向かったのだが、ここで「帽子忘れ事件」をおこしたワタシである。日頃から
忘れ物の多いワタシだが、パリでも・・。途中で気づいて慌ててカフェまで取りに戻り、隣の席のお喋りに興じている二人の老婦人のお尻の下に帽子を発見。「パルドン、モン・シャポー」と声を掛けて帽子を取り戻し、老婦人たちに笑われた。やれやれ。
八百屋さんに並ぶ色鮮やかな野菜や果物、豊富なキノコ、魚介類に皮を剥がれてぶら下がるウサギやきれいな羽をつけて横たわる野鳥類。チーズ屋さんも何軒もあるし、見てるだけでも楽しいのがマルシェだ。けれどもここに住んでいるわけでは無いので、色々と買い込めないのがとても残念である。チーズ屋さんでは、フォンテーヌ・プローを買ってホテルでおやつとした。これはフレッシュ・チーズをふわっと軽くしたようなもので、ジャムや蜂蜜をかけて食べるのだろうが、そのまま食べてもミルクのほんのりとた甘さがとても美味しい。チーズのお供に良くあうドライフルーツを何種類か購入。パイン、白ぶどう、洋梨や杏などだが、中にひとつ何だか分らないものもあった。右写真の下の茶色のやや細長いものだが、味は柿に似ているが、中には大きな種もある。何だろう。ご存知の方は教えて下さると嬉しいのだが。

フォンテーヌ・ブロー

色々なドライフルーツ

この日はモンマルトルまで足を伸ばして、ちょっと観光。お天気が悪いにも関わらず、世界各地からの観光客で賑わっている。右上はパリの街を一望できる丘の上で、その下はきれいな石畳。テルトル広場から下に降りるとき人気の無い道を歩いていたら、若いフランス人男性に話し掛けられ、自分は警官なんだがと、写真のついた身分証明書らしきものを差し出した。制服は着ていず今日は非番だからと言うが、これってまるで怪しい(笑)。そういえば本で、警官をかたってパスポートを見せろといって取り上げてしまうという詐欺話を読んだなあ。取り合わずにさっさとその場を離れたが、やっぱり観光スポットは危ない、危ない。
マレに戻って近くの可愛いショコラティエ(写真左上)でチュコレートを買ったり、最初の夜に行ってお気に入りになったカフェ「タルティーヌ」(写真左下)でビールを飲んだり、マレでくつろぐ。



骨付き仔牛ロースのソテー、フォワイヨ風27ユーロ

この日の夕食は友人と待ち合わせて、ガルドリヨン駅の2階にあるとてもクラシックな内装の「ル・トラン・ブルー」にて。友人夫妻も同じ頃にフランス旅行ということなので、この日はスケジュールを合わせてパリで新年会ということに。このレストランは料理もとてもクラシック。伝統的なフランス料理をたっぷりと頂ける。仔羊モモ肉のローストはこんがりと焼かれた大きなモモ肉の塊をテーブルのそばで切り分けてサービスしてくれるし、タルタルステーキも目の前で調味してくれる。

仔羊モモ肉のロースト28ユーロ

豚足のパン粉焼き26ユーロ。足の形そのままが2本も!


ブラッスリーL'europeenのユニークなおじさんと
さて、新年会といえば2次会がつきもの。駅前のブラッスリーL'europeen(これはなんと読むのか、ルーロペン?)に場所を移した。このお店は前回パリに来た時にホテルが近かったので何度か利用した気軽なお店、ということでやって来たのだったが・・。以前は1階のテーブル席はクロスも掛かっていない駅前大衆店という雰囲気だったのに、現在は全てのテーブルにびしっと真っ白なクロスが掛かり、ナプキンが立ち並んでおり、高級化したように思われる。女性のクローク係りも現れて日本語で「こーと、オ預カリシマス」とおっしゃるでは無いか!酔っ払いの我々はやや場違いだったかも(^_^; 2階に案内され、白ワイン(リースリング17ユーロ)と牡蠣盛合わせ28.5ユーロ(またしても!)を注文し、ギャルソンのおじさんに邪険にされながらもマイペースの我々であった。しかしこのおじさん、なんだかんだ言っても我々をかまい、しまいにはワタシのデジカメをいじりついに一緒に写真に収まるという面白い方であった。

アーティチョークとトマトのサラダ

ブイヤベースに挑むダンナ。ウロコを口
から出し、出し、どんどん食べる。

早くもパリを楽しめる最後の日となってしまった。この日はギャラリーラファイエットでお土産を買ったり、トリュフ専門店を覗いてその値段の高さに驚いてあきらめたり、お目当てのフロマージュリーが休みでがっかりしたりしながら午前中を過ごし、ランチはマレのビストロ「レ・ヴァプール」で。ここでのお目当ては「ブイヤベース」29ユーロ、ダンナが挑戦。やっぱり量も多いし、その味の濃いこと。とっても美味しいのだけどその濃さは3口も食べれば満足するほど(^_^; ウロコもいっぱい入っているし、大雑把である。しかし、ダンナ完食。エライ。ワタシは10.5ユーロのランチ。かなりたくさんある選択肢から選べてこのお値段はお得だ。前菜のサラダ、メインに仔羊、チーズかデザートも選べる。このお値段のせいか量もそれ程多くなくちょうど良い感じである。
ここのおじさんギャルソンはやや猫背でたんたんとサービスし、古臭い内装とあいまってとても良い味を醸し出している。ワタシは仔羊の焼き加減を聞かれて「セニャン(ミディアムレア)」と答えたら、「セニャン、トレビアン!」と褒められた(^-^)。
そのおじさんと無理やりツーショットしたワタシ。

骨付き仔羊のソテー
付け合せのおいものグラタンをフォークですくったら糸を引くので驚いた。恐る恐る口に入れるとこれはなんと里芋のようであった。まずくはないけど、ちょっとどーでしょう(笑)

デザートのイル・フロッタント
メレンゲの軽いデザート。これならお腹にすんなり収まる。

海の幸の盛合わせプラトー35.7ユーロ

牛フィレ肉のステーキ28ユーロ

パイナップルのロースト8.5ユーロ

プロフィットロール9ユーロ
ついにパリで過ごす最後の夜。「アレ」をまだ食べてない、絶対食べなくては、写真を撮らねば。ということで出掛けて来たのはブラッスリー「オ・ピエ・ド・コション」。レアルのサントュスタッシュ教会のすぐ近くにある老舗である。中に入るとイメージにあるブラッスリーそのものというか、ちょっと古いフランス映画の登場人物になったかのような気のする、内装・たたずまいである。観光客としてはやっぱりこんなお店が好きだ。
さて、目当ての海の幸プラトーは生牡蠣、生ムール・生はまぐりなどの貝類に茹でた海老やツブ、タニシのようなもの、揚げた小海老などが大きな皿にゴージャスに盛り付けられ、海の幸に目のないダンナ、もうどれから食べようかと手が震え目が泳ぐ(笑)。これは一人前なのだが、ワタシもちょっと牡蠣を貰って食べていると、サービスの女性がさっとワタシのフォークも持って来てくれるなど親切である。
ワタシの注文は「牛フィレ肉のステーキ、ペッパーソース」和牛と較べるとやや固いのだが、味も濃く美味しい。付け合せもフライドポテトのみで、シンプルな料理である。
我々の席は店の奥の端っこで、クロークが見えたりしてあまり良い席では無いような気がしたのだが、実はとても楽しい席だった。というのは、何故かこのクロークの前に簡単な調理台が備えてあり、ここでメーテルドテル(給仕長)らしい人がクレープを焼いたり肉料理の最後の仕上げをしたりする場所になっていたのである。お客に見せる為にしては隅すぎるし、どうしてここでそういう事をするのか分らないが、我々にはとても興味深い見物だった。我々があんまり熱心に作業を眺めているので、ギャルソンが鍋を持って来て「キッドニー、キッドニー!(仔牛の腎臓)」と見せてくれ、その大きさと一人前2個ということに驚いたり、本当に楽しませて頂いた。
デザートはダンナは「今日のお勧めパイナップルのロースト」、ワタシは「プロフィットロール」。ダンナはデザートは口に合わなかったらしいが、そのアイディアは盗んで帰国後自分でも作っていたのであった。ワタシのプロフィットロールはギャルソンがチョコレート・ソースを掛けてくれるのだが、わざとほんのちょっとだけ掛けて「OK?」と尋ねるので、「モアモア!」と叫ぶとにこにこしながら全部掛けてくれたのである(笑)。
コーヒーにもチョコをくれた。


ここの店名は「豚の足」という意味であるから、豚の飾り物が多くあったりするが、ドアの取っ手も豚足の形である。

最終日は早起きしてシャルルドゴール空港へ向かうだけの日だ。大雨だし暗い。次に来るのはいつの日であろうか。なるべく早くまた来たいものである。
空港で朝ご飯としてサンドイッチを買った。フランス最後の食事はやっぱりハムとチーズのサンドイッチであった(笑)。

マレの散歩その1
マレの散歩その2
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