十勝で和み旅
2008年5月20日・21日



十勝千年の森にて。さらさら流れる春の小川。

食材の宝庫、十勝はいつも憧れの土地。美しく広大な十勝平野に広がる
町や村からたくさんの美味しい食材が発信されている。いつもお世話に
なっているチーズ工房にまた行きたいなあ、、、と日頃から思っていたが
ようやく実現。久しぶりに訪れた十勝でのんびりと美味しい研修旅行

JR札幌駅を朝出発し、3時間ほどで帯広駅に到着。駅前からレンタカーに乗って清水町へ向かったが、その日は低気圧の接近でかなりの大雨が。日頃の行いは悪くないはずなのだが、神様にはお見通しだったのか(^_^; 雨・風とも強まる中。清水町の 十勝千年の森に着いたのは、お昼過ぎのことだった。

ここはその昔、うっそうと大木が茂る深い森だったが、開拓の広がりとともに木は切り倒されていった。そして、今この広大な土地に昔の森を取り戻そうと、植林を始めた。昔の森が再現されるまでには千年かかるだろうと「千年の森と名づけられたのだそうだ。
現在は、緑が美しい草原や、キノコは山菜が生える林、自然に溶け込むように建てられたカフェやチーズ工房などが点在する美しいところだ。

さて、我々はまず昼食をとるべくカフェ・キサラへ。合掌造りの建物で頂ける手打ち蕎麦も魅力で迷ったのではあるが(^_^;
キサラの大きな窓からは緑の芝生が広がりとても美しい。が、とにかくものすごい雨なので、外でのんびり景色を楽しむこともできず残念!


合掌造り ほおの木。

カフェ・キサラの前に広がる草原。

十勝産野菜のビュッフェより。

ランラン・ファームの山羊乳チーズを使ったピザ。

チーズ工房ランラン・ファーム

チーズ製造工房。
食後、チーズ工房のランラン・ファームへ。
チーズを作る桑原さんにご挨拶して、チーズのお話をちょっと聞かせて頂いた。
こちらは1階に工房があり、2階がショップ。2階のガラス窓越しに工房を見下ろすことができる。整然とした清潔な工房である。
製品は、ほとんど以前から購入したことのあるおなじみのものだけど、作られた場所で買うのはまた楽しいもの。桑原さんのお話では今、山羊乳のゴーダを熟成中とのこと。出来上がったら知らせて下さるというので、とても楽しみ。山羊のハードは美味しいのね!
また、隣接の山羊小屋にも案内して頂き、可愛い子山羊たちも見せて頂きました。

可愛らしい小さな山羊チーズが並んだショーケース。

山羊チーズ製造担当の桑原さんとシェフ

真っ白で可愛い山羊たち。

無邪気に遊ぶ子山羊。
清水町を後にして、本当は幕別町まで行きたかったのではあるが、あまりにも雨が強くて運転手のシェフが、渋ってしまい、、、残念(^_^;
さっさと宿に行ってのんびりしたいという事で、本日の研修はもはや終了。軟弱な我ら(笑)

宿泊は帯広市内の北海道ホテル。窓がワイドな眺めの良いお部屋なれど、地平線に見えるはずの日高山脈も雨に煙って今ひとつ。ここには大浴場があり、お湯はモール温泉という茶色のもの。ちょいとぬるっとした感じでお肌に良さそう。早速出向いた夕方のお風呂は空いていて、貸切状態。外の露天風呂につかれば、雨がお湯に落ち、顔にあたり、なかなか気持ちよいものだ。極楽の長湯でありました〜。

そして、今夜のフレンチ研修は市内のレストラン、ベル・エレーヌで。
こちらのオーナー、水戸ご夫妻は札幌で何度もお会いしている旧知の仲なので、ここを訪問することも念願だったのである。
静かな住宅街の中の一軒家でそれはロマンティックな雰囲気。
シェフ心づくしの美しくて美味しいフルコースを頂きながら、ご夫妻と話しに花が咲いて楽しい一夜。
そして、話が尽きない我々は、ご夫妻を誘って夜の帯広繁華街の北の屋台で二次会だ!

エントランスに浮かぶ店名のロゴもステキ

調度ディスプレイも雰囲気たっぷり

Gevrey Chambertinを楽しむワタシ。

帆立貝のスモークのサラダ

魚介のブーダン仕立て

サクラマスのポワレ

骨付き仔牛ロース肉のソテー

デザート

北の屋台にて、ベル・エレーヌの水戸ご夫妻とシェフ。

屋台村のすぐ近く。
「北の屋台」を一通り歩いたあと、らくれっとに伺った。お店の看板にあるように、「北の屋台」で営業した後、近くのビルの地下にお店を構えた。店名のらくれっとはチーズの名前でもあり、そのチーズを使った料理名でもある。
コの字型のカウンターにラクレット・チーズを溶かす道具を置いて、溶けたチーズを茹でたじゃが芋とパンの上にかけて供してくれる。チーズは新得の共働学舎のラクレット。
熱々のチーズが美味しくて、またワインが進み話も盛り上がり、夜中過ぎまで楽しませて頂きました!


らくれっと店主の宇佐美さん。

ラクレット・チーズが溶け出して、

とろーり、パンとじゃが芋の上にかけて熱々のところを頂きます。
雨も上がり十勝晴れとなった気持ちよい2日めは、大樹町の半田ファームさんを訪問。日頃からこちらのチーズは、当店のチーズ・プラトーに乗せさせて頂いているが、今回の訪問は昨年から始めた新メニューのアリゴのため。

アリゴとは、フランス・オーヴェルニュ地方の郷土料理でじゃが芋のピュレとその地のハードタイプ・チーズの熟成前のフレッシュな固まりを熱して混ぜ合わせて作るもの。お餅のように伸びる面白い料理である。

当店では、アリゴを北海道のチーズで作ろうと思い、半田ファームさんに特にお願いして、出来立てのチーズを送って貰っているのだが、一番アリゴに向くのはどのチーズか、またチーズの保存について、などのアドバイスを頂こうと、この度の訪問となったのである。

半田さんが用意して下さったチーズを使って、キッチンをお借りしてシェフがアリゴを試作してみた。半田さんの奥さま始め、スタッフの方々も興味深々でキッチンに集まった。一番良かったチーズを使って出来上がったアリゴの味に皆さん満足。我々も、最適のチーズが決まって満足。

その後は、半田さんご自慢の熟成庫を見学させて頂いた。それにしても、半田さんの奥様の大らかさと、ここのチーズの味わいが重なって、だからここのチーズは美味しいんだな!と実感(^-^)

半田ファーム



アリゴを試作するシェフの手元を熱心に覗き込む半田ファームの方々。

アリゴ完成。

型詰めしたばかりのカード。

圧搾中。

熟成に入ったばかりの若いチーズたち。

だいぶん表皮が出来てきました。
半田ファームさんには、およそ10年くらい前にも訪れている。チーズというものを、自分のフィールドに入れ始めたばかりのことで、やみくもに食べまくったり、本で知識を仕入れたり、手探りでいた頃。北海道のあちこちで酪農家の方々がチーズを作っていることを知って、時間を作ってはあちこち訪ねていた。その頃から、ずっと半田さんのチーズとお付き合いさせて頂いて、今またアリゴのことでご親切にして頂いて本当に感謝いたしてます。美味しいアリゴをずっと作っていきたいですね!

札幌に戻ってから、いい感じに伸びるアリゴができています。たくさんの方に召し上がって頂ければ嬉しいです。
北海道の美味しいじゃが芋とチーズで作る、北海道の郷土料理アリゴ・ホッカイドウです。

店に戻って早速試作。伸びた〜

アリゴ・ホッカイドウ、完成。

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